読むべき良書の投資本は訳書が多いが…唯一選ばれた「日本の雑誌」

Q オススメの投資本はありますか?

米国で出版された本の訳書に良書が多いと思っています。とはいえ、取っつきやすさでは日本の個人投資家の本が一番でしょうから、そこから入ってもいいと思います。

ここでは訳書を中心に、個人的なオススメ投資本を5つ紹介します(1つはマネー誌)。

①『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』(モーガン・ハウセル 著、児島修 訳/ダイヤモンド社)

投資への姿勢やお金との向き合い方などが学べる1冊です。具体的な投資手法を学ぶ前に、この本で基礎を固めましょう。読みやすい本です。

②『千年投資の公理』(パット・ドーシー 著、井田京子 訳/パンローリング)

銘柄分析の本です。優良銘柄が持ち合わせる「経済的な堀」について学べます。

③『億万長者をめざす バフェットの銘柄選択術』(メアリー・バフェット 著、デビッド・クラーク 著、井手正介 訳、中熊靖和 訳/日本経済新聞出版社)

銘柄分析の勉強になります。ただし、後半は経験者向けです。

④『史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力』(メアリー・バフェット 著、デビッド・クラーク 著、峯村利哉 訳/徳間書店)

バフェット流の損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の読み方が学べます。

⑤「AERA Money」(朝日新聞出版)

年に2度発売される投資雑誌です。しっかり取材、裏取りされた記事は勉強になります。ウェブ版の「AERAドット」にもよい記事が多いので、重宝しています。

Q 著者の桶井道さんは、新しいNISAでどんな銘柄に投資するつもりですか?

A 「つみたて投資枠」では、S&P500に連動するように運用される投資信託を買います。「成長投資枠」では、「じぶん年金」の構築を意識します。日本株の大型株と中型株上位銘柄から、高配当株と増配株を厳選して買うつもりです。S&P500配当貴族のETFを持つ考えもあります。特定口座と合わせて20銘柄程度を持つつもりです。

「つみたて投資枠」では資産の最大化を、「成長投資枠」では配当金や分配金の最大化を目指します。60~65歳を目途に、「つみたて投資枠」で育てた投資信託を売却して、その分の資金も日本の高配当株・増配株、もしくはそれらに投資するタイプの東証ETFへとシフトして、継続的に配当金や分配金を得るつもりです。出口戦略として投資信託の取り崩しを行うつもりは一切ありません。

Q 株価の急落や暴落時に不安になってしまいそうです。何かアドバイスを頂けますか?

A 株価が急落しているような状況では不安やストレスを感じがちですが、感情で投資の判断をしないように気をつけましょう。とくに「不安=売り」は絶対にダメです。

どうしても売りたいのであれば、なぜいま売るのか、自分が納得できるストーリーを心のなかで描いてみてください。買うときと同じく、売るときにも理由が必要です。株価が下落してなんとなく怖いから。いまにも、もっと価格が落ちてしまいそうで怖いから……それでは理由になりません。単に感情に流されているだけです。

冷静に状況を判断すれば、NISAの長期投資では株価の短期的な上下に一喜一憂する必要などないことがわかります。そもそもが今後何年も、場合によっては何十年も売るつもりはないのですから。

桶井道『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)

何かその銘柄特有の株価急落の理由(不祥事など)があるわけではなく、相場全体やセクター全体が急落・暴落しているような状況なのであれば、むしろ追加で安く買える「バーゲンセール」とさえ言えるでしょう。

実際に、投資の経験が長い投資家ほど、相場全体の急落や暴落があれば追加投資するものです。逆にそんな状況でパニック売りをすれば、一番安いところで損失を確定してしまうことにもなりかねません。不安やストレスに流されて、理由のない売りをしないように気をつけてください。

そのほか、お酒を飲んでいるときや体調不良のときには投資判断を誤ってしまうケースが多いので、どんなに不安でも売買をしないようにすることを勧めます。

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