会社にとってお金の巡りは血の巡り

「キャッシュ・フロー」という言葉でイメージしにくいのであれば、人間の血液にたとえて考えてみると、わかりやすいかもしれません。

血液がドロドロで血の巡りが悪いと健康状態は悪化しますが、これがちゃんと循環していれば、血の巡りがよくなって、身体が健康になります。会社にとってのお金とはそういうものなのです。

よく、「赤字会社でもキャッシュ・フローさえあれば倒産しない」などと言われますが、まさにその通りです。仮に営業キャッシュ・フローがマイナスだと、これは傷口がパックリ開いていて、止めどもなく血液が流れ続け、放っておくと死んでしまう状態だと言えます。だからしっかり止血しなければなりません。

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営業キャッシュ・フローはプラスであることが大前提であり、マイナスが2期連続、3期連続になると、かなり厳しいと考えられます。

投資キャッシュ・フローはマイナスが前提です。前述したように、投資をしない会社は成長しないからです。

そして財務キャッシュ・フローは、一般的に、会社が設立されてビジネスが軌道に乗るまでは、さまざまな投資活動によって資金の借入などをたくさん行う必要があるため、プラスになる傾向があります。

しかし、ビジネスが成熟段階に入ると、お金が潤沢になるため、そのお金を返済に回したり、配当金として投資家に支払ったりするため、マイナスになります。

C/F計算書から会社のタイプと投資の健全性を見極める

企業の資金の流れが記載されたキャッシュ・フロー計算書を分析することで、会社のタイプ(その企業がどういう性質を持っているか)と、投資の健全性を知ることができます。

〈ポイント1〉3つのキャッシュ・フローで会社のタイプを分析する

キャッシュ・フロー(C/F)には、「営業キャッシュ・フロー」「投資キャッシュ・フロー」「財務キャッシュ・フロー」の3つがあり、それぞれについてプラスとマイナスがあります。

その意味するところは、

・営業C/Fがプラス=本業が順調
・営業C/Fがマイナス=本業が苦戦
・投資C/Fがプラス=守りの経営
・投資C/Fがマイナス=攻めの経営
・財務C/Fがプラス=導入・成長
・財務C/Fがマイナス=成熟・衰退

となります。そして、理論上は2×2×2=8パターンの組み合わせが考えられ、この組み合わせによって、その会社がどういう性質を持っているのかが、おおまかにわかります。