第2の人生でも夫と一緒にいたいか?
そもそもの話、あなたは第2の人生でも今の夫と一緒にいたいのでしょうか?
『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)や他の本でも、「60歳を契機に、このまま結婚生活を続けるか否かを考えるのはとても良いことだ」と、繰り返し私は書いているのですが、女性は特にその必要があると思っています。
世の中の価値観が変わってきたとはいえ、多くの家庭では相変わらず、女性が男性に尽くす構図になっているのが現実です。
それでも夫が働いているうちなら、仕事に専念できるように夫を支えるとか、家事のほとんどを請け負ったりすることにも多少のメリットはあります。そのおかげで夫の稼ぎが増えていい暮らしができるとか、「勝ち組」の気分を味わえるといった「見返り」を妻のほうも得られる場合がありますから、そうなれば「尽くす」ことは必ずしも損な役割とは限りません。
退職した夫に「投資」する価値はあるか
こういう言い方をすると怒る人がいるかもしれませんが、これは資本主義の世界でいうところの一種の「投資」なのです。
もちろん性的役割の話をしているわけではありません。妻のほうが稼ぎがいいなら、夫が妻に尽くせばいいだけの話です。私が言いたいのは、誰かに尽くしてちゃんと見返りが得られるのであれば、決して悪い選択ではないということです。
けれども、相手が定年退職したあとは、その状況は一変します。
はっきり言えば、定年後の夫というのは、ごく一部の人を除いて、たいした稼ぎはありません。それにもかかわらず、夫に尽くし続けることは、この先値下がりすることがわかりきっている株にせっせと投資するのと同じです。
つまり、このタイミングで夫婦の在り方を考え直さない限り、女性は単なる「尽くし損」になってしまうのです。