二人だけの生活がもたらすストレス

若い頃の結婚というのは、学歴や年収、年齢やルックスといった条件を重視しがちです。そのせいで、実際結婚してみると、考え方が合わないなあとか、あまり会話が弾まないなあなどと感じることも多いのですが、その一方で、仕事や子育てに割く時間が多いので、多少相性が悪くても、案外なんとかなるものです。

ところが仕事や子育てがひと段落して、二人だけの生活が始まるとそうはいきません。夫婦間の相性の悪さがこれ以上ないストレスをもたらすのです。

だからこそ、60歳あたりを契機に、「第2の人生でも今の夫と一緒にいたいのか」をちゃんと考えるべきだと私は思っています。

とりあえず気心も知れているし、だいぶくたびれてはきたけど、結構物知りで話していて楽しいし、旅行に行くならやっぱり一緒がいいし、というふうに、概ね「イエス」という前向きな結論を出せるのであれば、そのまま夫婦関係を維持していけば良いでしょう。

相手が「楽しさ」とか「幸せ」という見返りを十分返してくれて、かつ、その人に「尽くす」ことが最高の喜びというのであれば、相変わらず「尽くす」ことになったとしても、それなりに意味のあることなのかもしれません。

一方的に尽くす夫婦関係はいますぐ脱却を

でも、絶対に「ノー」ではないけれども、「イエス」とも言えないという場合、あるいは本当は嫌だけど仕方なく尽くしているという場合は、「家事は半々にする」「昼食はそれぞれ自分で用意する」といったルールを決めて、少なくとも自分が一方的に夫に尽くすとか、我慢するというかたちの夫婦関係からは絶対に脱却すべきです。

場合によっては、夫婦としてのかたちは残しつつも、別々に暮らすということを検討してもいいのではないでしょうか。

「夫は何もできないから」などという心配は不要です。また、一人で全部やらせるのはかわいそうだと思ったりしたら、結局自分がかわいそうになるだけです。

申し訳ない気になる必要などもまったくなくて、家事だって今や家電をうまく使えばいいだけですし、食事だってコンビニに行けば栄養バランスのいい食事は十分調達できます。ウーバーイーツなどの宅配サービスも充実してきました。

それが楽しいとか幸せとか感じられるのなら話は別ですが、本当はやりたくないと思っているのなら、妻だからといって別に稼いでくるわけでもない夫の面倒を無理に見る必要などないのです。