「オレたちもまだまだ抜かれるわけにはいかん」
卒業生たちを見てください。ほんと、みんな面白い。卒業式の間は一斉に起立して、卒業生代表もいい話をする。規律があります。でも、その後、もう一度、集まって僕らと握手会みたいな、記念スタンプを押す会をやりますけれど、普通の18歳に戻って、やんちゃですよ。でも、うちの現場はそういうところなんです。みんなが面白いから現場は回っていく。
もうひとつ大事なことがあります。学園のみんなには現場に入ったら早く成長してほしい。一方で、僕らも頑張らなきゃいけない。これまた河合おやじが言うのですが、「若いもんには早く成長してほしいけれど、オレたちもまだまだ抜かれるわけにはいかん。自分たちも成長しなくちゃいかん」
私も含めて、現役社員、新しい人が入ってくるたびに成長しなきゃいけない。
わたしは卒業式後のスタンプ会の様子も見た。確かに、18歳は元気だ。はじけまくっていた。トヨタ工業学園は真面目ひとすじの優等生タイプを育成する学校ではないことはよくわかった。
豊田自動織機、ダイハツ工業、日野自動車の責任者として
次の話題はグループ会社の不正、不祥事についてだった。
これではトヨタグループへの信頼を失ってしまうと思ったので、私が出ることにしました。そして、責任者は私ですと名乗り出たわけです。今回のような不正が出ると、責任追及と犯人探しが始まります。そうしたら、私が出るしかない。はい、私が責任者ですと名乗り出ることで、叩かれるのは私になる。
そうすれば、うちの現場は元に戻れます。現場はちゃんと動くんです。大切なのは現場をしっかりと動かすこと。ただ、私は叩かれます。