“安直なコピペ”を繰り返している
「ネパールでは90年代に民主化して貿易が一部で自由化されたんだけど、インド人が乗り込んできてタクシーを売りつけまくったの。儲かるぞって。それを見たネパール人の中には借金してタクシー買う人がどんどん出てきて、カトマンズの街はタクシーがあふれちゃって、結局みんな共倒れ」
そんな姿と「インネパ」が重なるとTさんは言う。ばんばん商売を立ち上げるコシの軽さは日本人からするとうらやましくもあるのだが、一方で安直にコピペをしては失敗してしまうその背景には、悲しいことだがやはりネパール全体の教育レベルの問題もありそうだ。
急激な近代化と情報化の波に教育制度が追いつかず、国内産業も育成できず、そのため「海外出稼ぎ」に希望を抱くネパール人があまりにも多い。「とにかく稼ぎたい」ばかりで、具体的な考えが足りていない。そんな途上国の悲哀が、グローバル化によって日本と直結し、「インネパ」という形で日本人の目にも留まるようになってきたのだ。