草野球選手はメジャーリーガーには勝てない

個別株投資で成功するには良い企業や株価が上がる企業を見極めるため、決算書を読み込んで分析したり、ビジネスモデルの善し悪しや市場の成長性、競合と比較した際の強みや弱みを調べたりして企業の将来性や成長力を見極める必要があります。

さらにいえば、どんなに良い銘柄でも割高なタイミングで投資してしまうとうまくいかないので、買い時を見極めるためのテクニカル分析(チャートを見て、過去の値動きから将来の値動きを分析する方法)も欠かせません。

これらのスキルは一朝一夕で身に付くものではありません。しかも、株式市場はほったらかしの積み立て投資しか経験のない個人投資家と、莫大ばくだいな金額を動かし続ける百戦錬磨の機関投資家が同じ土俵で戦う場です。草野球の人数合わせで呼ばれただけのど素人が、メジャーリーガーを相手に試合をさせられるようなもので、まぐれで勝つことはあっても、勝ち続けることは至難の業です。

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シンプルな「マイナス5%ルール投資法」

そこでひらめいたのが、過去のデータに基づいた明確なルールがあればいいのではないか、というアイデアです。「ここまで下落したら、高い確率で勝てる」というわかりやすい基準があれば、勝率の高い急落局面とそうでない局面を一発で見分けることができ、普段は積み立て投資しかしない人であってもS&P500の一括投資で個別株投資に引けを取らない利益を得られるのではないかと考えて、研究を始めたのです。

そこで、過去50年の株式市場のデータを分析し、試行錯誤を重ねてたどりついた結論が、「▲(マイナス)5%ルール投資法」です。

私が試行錯誤の末にたどりついた▲5%ルール投資法は、とてもシンプルなルールに従って投資する方法です。具体的には、株価指数の中で世界一重要なS&P500が週間ベース(前週の金曜日の終値から今週の金曜日の終値)で5%以上下落したら買う、ただそれだけです。それ以外の時には買いません。