日本の株式市場にはお宝株が眠っている

――そうなると、個人投資家がいい銘柄を見極めるのは難しいですね。

【パックン】難しい。

【エミン】日本は難しいです。僕らは『会社四季報』を毎回読んでいるけど、2000ページぐらいあるんです。個別銘柄をピックアップするのは、労力も時間もかかりますよ。ただ、それだけの価値はあると思う。日本の場合はけっこう宝物が埋まっているから。

【パックン】でも普通のビジネスパーソンは週50時間くらい働いて、友達にも会いたいだろうし、家族とも時間を過ごしたい。2000ページの四季報を読む時間はないんじゃない? 四季報って年に4回出るでしょ。

【エミン】4回出る。

【パックン】毎年1万ページぐらい読むことになるよね。うーん。だったらインデックス投資でいいんじゃないかなと思うんですよ。エミンさんみたいに四季報を読んで楽しい「四季報オタク」はいいんですよ(笑)。僕みたいにそれを仕事に感じてしまう人はダメだね。僕には本業があって、本業のほうが楽しいし、友達と会ったほうが、飲んだほうが楽しいから、インデックスに突っ込んで放っておくほうがいいかな。

【エミン】読む価値はあると思うけどね(笑)。

撮影=遠藤素子
「僕は本業が楽しいからインデックス投資のほうが向いている」とパックンさん。

アクティブファンドでプロに任せる方法も

【パックン】アクティブファンドのプロに任せるという選択肢もあるし。

【エミン】もちろん。

【パックン】アクティブファンドの信託報酬は年1.5%とか2%とか、インデックスファンドに比べると高くなるけど、本当のお宝を見つけて投資してくれるなら、コストを支払ってもいいと思う。問題は、敏腕ファンドマネジャーでも長期的にインデックスに勝つのは難しいということ。

――パックンさんは個別銘柄には投資していないですか。

【パックン】僕もちょこちょこは個別銘柄を買っているけど、そのときは証券会社の担当者と相談しながら選んでいます。たとえば、いまなら「少し円高に戻ると思うから、内需株がいいと思うけど、いい銘柄はありますか」と相談したり。これからは、日本人向けに輸入商品を売っている企業や原材料を輸入してモノを作る企業が強いんじゃないかと考えています。