日本株とアメリカ株、新NISAでどちらを買うべきか
――日経平均株価がまだ高くないとすると、日本人は日本株に重点的に投資したほうが良いですか。
【エミン】そうね。僕はそう思っているけど、分散してもいいと思う。日本でいま人気なのはS&P500とオールカントリー(オルカン)でしょ。新NISAのつみたて投資枠で買うと、継続的な円売りドル買い要因になる。中国人とアメリカ人が日本株を買って、日本人がアメリカ株を買うのは矛盾しているよね。
それにオルカンは、世界中の株式に分散されていると思っているかもしれないけど、6割はアメリカ株だし、それ以外もほとんどが先進国の株式だから(図表1)。
【パックン】そう。S&P500を買うのとあまり変わらない。僕の家族は奥さんが主に日本株を買って、僕はアメリカの株を買っているけど、全体のウエイトで見るとアメリカ株のほうが多くなっている。アメリカ株のほうがパフォーマンスはいいのも一つの理由だけど、リスクヘッジの意味もあるかな。
リスク分散の意味で海外資産を持つのは悪くない
――リスクヘッジとはどういうことですか。
【パックン】僕は日本で働いているし、日本でマイホーム(不動産)を持っているから、日本に対するエクスポージャー(特定のリスクにさらされている資産の割合)は十分だと思う。読者のみなさんもおそらく日本企業で働いているだろうし、マイホームを持っている人もいると思う。
もし、日本株がダメになるような長期的に悪い経済状況になったら、自分が働いている会社もダメになるかもしれない。だから、海外の資産を持つのも悪くないと思うんですよ。
――リスク分散ですね。
【パックン】そう。自分が持っている不動産の価格も下がるかもしれないし。全部がぺしゃんこになるよりは、3分の1から3分の2程度を別の国の資産で保有しておいたほうがリスクは抑えられると思う。
――パックンさんは円で給料を受け取って、そのお金でアメリカにも投資をしていますか。
【パックン】受け取ったお金をドルに換えてアメリカの口座に送金して電話で投資しています。
【エミン】アメリカ人の場合は、難しいんだよね。
【パックン】そう。日本で証券口座を持てないから面倒です。