ミスコンの時代遅れ感、それでもうれしかったカロリーナ

そしてこの騒動の副産物として「ミスコンって必要?」問題も再浮上した。

今回この原稿を書くにあたり調べたら、あるわあるわ知らなかった「ミス、ミスターコンテスト」。大学のミスコンも合わせると年間相当数開催されていることとなり、バブル期じゃあるまいし、ルッキズムを問題視しているこの時代に、ある意味「これがいい女」「これがいい男」と順位付けする大会が多く現存していることに、正直なところ筆者は驚いた。

徒競走で順位付けも禁じられているところもあるというのに、あまりにも時代錯誤ではないかと。現に、上智大学、ICU、法政大学では、「多様な人間の在り方が尊重されなければならない」「LGBTQや多様性の観点からも主観で人を順位付けする行為は容認できない」といった理由でミス、ミスターコンテストを廃止している。今後もこの流れは加速していくと思われるが、私たちに改めてミスコンの存在を思い出させたのは椎野カロリーナであり、彼女のこの騒動は今後、日本のミスコン界にも一石を投じたということになると思う。

さて、グランプリを獲った時の彼女は「日本人と認められてうれしい」と笑顔で答えていて、これから自分の前に広がる明るい未来に胸いっぱいだったはずだ。でも、彼女には既婚の彼氏が居た。「筋肉医師」と呼ばれている筋肉を異常に鍛えている医師(45歳)で、ややこしいことにミスユニバースの審査員なんかもしている。

写真=時事通信フォト
ミス日本グランプリに選ばれた椎野カロリーナ、2024年1月22日

不倫相手は「妻子がいることを隠して」近づいてきた医師

彼も最初は認めなかったものの、「妻子がいることを隠して交際をスタートさせたこと」と、その後の交際を認めている。SNSでは彼が家に帰ってこなくなったり、妻に離婚を迫ったりしていたという妻側親族による書き込みも流通しており、それを見るかぎりはなかなかのゲスッぷりである。しかし、彼が既婚者だとわかってからも交際は続いていたわけで、成人した大人同士のやってきたことでもあるから、一方的に筋肉医師だけが悪かったというわけではない。彼女には既婚男性だと知った時にお別れするという選択肢もあったからだ。

ただ、筋肉医師に関して言えば、まずは奥さんと子供、奥さんの親族に対して、次に20歳近く年下の女性の明るかった未来を閉ざしたという責任を、今後どうやって取っていくつもりなのだろうか? とは思う。男だから女だからではなく、大人の一人として、取材陣に「今後も僕は仕事をがんばってゆきます」なんて答えてしまっている彼の、その責任感の希薄さはどこからくるのか聞いてみたいところではある。