日本の大企業の高配当株なら減配リスクを避けられる
高配当株からのインカムゲインを日本円で受け取りたいという人は、日本の高配当株に投資するのもいいでしょう。
たとえば、時価総額1兆円以上の大企業の中から配当利回り4%以上という条件でスクリーニングすると、図表1のような銘柄がピックアップされました。
業績や財務が安定した大企業の高配当株なら、業績悪化による減配(配当金が減ること)リスクを避けられる可能性も高いでしょう。
2023年3月末には、日本株市場を運営する東京証券取引所(東証)が、株価が低迷して会社の解散価値を下回っている企業に対して、株価を上げるための努力をするよう、異例の要請を行いました。
これを受けて、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでいるような割安な高財務企業は、相次いで増配や自社株買いの方針を打ち出し、株価を引き上げるような努力を始めています。そうした割安高配当株を狙うのもいいでしょう。
おすすめは一石三鳥の米国高配当株
ただし、業績が安定していて、配当利回りが日本株以上に高く、しかも株価の値上がりにも期待できるという一石三鳥を目指すなら、日本株以上にスーパー高配当株の多い米国高配当株に投資することを私はおすすめしています。
米国株の場合、毎年株主に支払う配当金を引き上げる増配を行い、その期間がすでに数十年に達している連続増配株もたくさんあります。
図表2は時価総額500億ドル(7兆円)以上、配当利回り4%超で、しかも連続9期以上の増配を続けている米国の有名企業をピックアップしたものです。やはり、世界中の誰もが知っている米国高配当株のほうが日本株以上に安心感があります。
ただ、いかに米国を代表する高配当株といえども、あまり銘柄を絞ってしまうと、投資した企業の業績が悪化したり、業種自体が古びて人気がなくなったりすると、株価が大きく下落して、配当金も減配されるリスクがあります。
やはり、超優良な高配当株といえども、分散が大切です。
たとえば、業種の違う米国の高配当株10社程度を選び、成長投資枠1200万円を10分割して120万円ずつ投資するのもいいでしょう。ただ、個別株投資の場合、決算発表をいちいちチェックしたり、その企業の業績や財務、株価の推移を調べたりして、自分自身で銘柄入れ替えを行う必要があります。
その点、米国は、たくさんの優良な高配当株を集めた高配当株ETFの品ぞろえが日本のETFに比べて圧倒的に充実しています。米国高配当株ETFの中には、10兆円近い巨額の純資産総額を誇るものもあり、経費率も0.0何%台と安く、投資ニーズにあわせたETFを選ぶことができます。
何よりETFの基準価額がずっと右肩上がりで上昇し続けているので、高利回りの分配金をもらいながら、値上がり益にも期待できる点が大きな魅力です。