STEP3:チームの「行動の質」のボトルネックを見つける

STEP3ではチームの「行動の質」のボトルネックを見つけるために、転換率を確認します。チーム全体の転換率の中で問題があるプロセスを特定できてから、各メンバーの転換率を確認します。

図表8には、KPIを達成した場合の目標転換率と今日までの転換率を追記しています。

今日までの転換率と目標転換率を比較すると、「アポ」と「商談化」の転換率が低いことがわかります。

出典=『数値化の魔力

そこでまず「アポ」の転換率がなぜ目標転換率より低いのかを考えます。このとき上流の「DM」と「電話」の量を見ると、3日の合計は300件とKPIをクリアしていたことがわかります。

つまり、上流の「行動の量」には問題がなかったと判断できるので、やはり「アポ」の取り方に問題がありそうだと目処をつけます。目処をつけたということは「Where」が特定できたわけです。

そこで次に「Why」を掘り下げる必要があるのですが、この段階になりましたら、各メンバーの「アポ」の転換率を確認します。その結果、たとえばメンバーが3人であったとき、各メンバーの「アポ」の転換率が6%、3%、1%であることがわかったとします。

転換率6%のメンバーと1%のメンバーの背景を探る

すると1%だったメンバーの「アポ」の転換率が、なぜ、目立って低かったのかを調べることになります。その結果、アポを取る際のトークスクリプトが守られていなかったことがわかれば、トークスクリプトを守るように指導する必要があります。

つまり、転換率が低かったメンバーに対して「アポ」の取り方を再教育することが改善方法となります。しかし、「アポ」の転換率にばらつきが出ていた理由が、各メンバーが担当している企業の規模の違いであることがわかった場合は対処方法が変わってきます。

たとえば転換率が6%だったメンバーが担当している企業は小規模で、3%だったメンバーの担当している企業が中規模、そして1%だったメンバーが担当している企業が大規模だとわかれば、転換率の高い小規模の企業にリソースを集中させることでチーム全体の転換率を高めることができると予想できます。

したがって、この場合の改善方法は、大規模な企業を担当していて転換率1%だったメンバーと3%だったメンバーにも小規模の企業を担当させることになります。このように、「行動の質」に問題が見られた場合の原因はいつも同じとは限りませんので注意が必要です。

場合によっては原因が複数の場合もあり得ます。

この例で言えば、「アポ」の転換率が低かった原因が該当メンバーのトークスクリプトが正しくなかったのに加えて、担当企業の規模が大きかったためであるとも考えられるのです。