「朝礼」と「夕礼」で行動記録を書く

このようにして設定したチームのKGIとKPIが、チームの行動目標となります。そして、マネジャーはこのチームの行動目標が達成されているかどうかを日々視覚化してモニタリングします。

そのためにも、各メンバーの行動結果は日々記録されて共有されている必要があります。

ここで最初の壁があります。それは、メンバー全員が毎日行動状況を入力することがなかなか定着しないことです。

忙しさを言い訳にして入力しなかったり、個人的には手帳などに記録していながらもデータ入力はどこかでまとめて行えばいいと考えてしまったりするメンバーが出てくるためです。

このような事態を回避するためには、毎日行動記録を入力することを仕組み化してチームの文化として定着させるしかありません。たとえば、キーエンスの営業部門では、朝礼でその日の行動目標を入力させて、夕礼で行動結果を振り返りながら入力させる仕組みになっていました。

STEP2:チームの「行動の量」のボトルネックを見つける

STEP1でチームの月次の行動目標を設定しましたので、次に日々のモニタリングを行うために日次の行動目標、つまり日次のKPIを割り出します。

このKPIと実際のチームの行動結果を比較することで、チームの「行動の量」のボトルネックを見つけます。月次のKGIとKPIから日次のKGIとKPIを割り出すには、営業日数で割るだけです。図表4はSTEP1で設定した月次の行動目標を営業日数で割って日次のKPIを割り出したものです。

【図表4】日次のチームのプロセス目標(営業の場合)、【図表5】日次のチームの実績(営業の場合)
出典=『数値化の魔力

この日次のKPIと比較するためにチームの日々の実績を記録していきます。図表5のような実績が記録されたとき、たとえば10月2日の「DM」と「電話」は90件とKPIの100件を下回っていますので、ここで何が起きたのだろう、と注目します。

この日は「アポ」と「面談」もKPIに達していませんが、これは前段階の「DM」と「電話」の量が不足していることが原因だと考えられます。まずは上流の「行動の量」から対処することが優先されます。