自信がついて生活態度も激変した

さらに、校長先生から驚くべき話を聞きました。

R80を続けてきた生徒たちは、遅刻や欠席が減ったというのです。

生徒指導の件数は激減したそうです。

もちろん、先生がたの熱心な指導あっての成果です。

それでもR80のおかげだと言ってもらうと、考案者として胸が熱くなりました。

生徒たちは、自分にはできないと思っていた文章を書けるようになって、大きな自信を得ていました。

できなかったことができるようになれば楽しいですし、授業を主体的に受けるようになり、連動して生活態度も変わりました。

こうして「R80で学校改革」とも言うべきことが起こったのです。

R80でも書けない子の対処法

また、こんな事例もあります。

先ほどの高校とはまた別の、教育困難校の高校の事例です。

この学校でR80を導入した当初、生徒さんの多くが書けないという状況がありました。先に紹介した教育困難校よりも学力的に厳しかったようです。

写真=iStock.com/miya227
※写真はイメージです

そこでこの学校の先生が編み出した方法が、1文目を先生が書き、接続詞は「なぜなら」で固定。さらに2文目の末尾も「〜だから」で固定したのです。

つまり、なぜなら〜だからという2文目の30字少々だけを生徒たちが書くところからスタートしたということです。

授業の振り返りで「1文目+なぜなら~だから」の例を挙げてみます。

生徒が書いたのち、先生は、例文としてこのようなR80を紹介しました。

彼らは「1文目+なぜなら〜だから」固定型で練習を重ねることで、R80を書くコツや自信をつかんだようです。

その後、R80でいろんな接続詞を使って80字書けるようになったという報告がありました。

文章に慣れていない子や、年齢の低い子にも参考になりそうな面白い方法ですよね。

ルールがシンプルだから応用がきく。それもR80のよさです。

R80を続ければ、スタート時点の学力に関係なく、どんな子でも成果が出ます。

そのことを教育困難校でのケースから実感していただけたのではないでしょうか。