18歳までの習慣が「一生好きなもの」に
では、別な面から、飲み物が重要な理由を①嗜好の定着、②手軽に飲める、③気がつかないうちに過剰摂取――の3点から考察してみます。
① 嗜好の定着、一生飲み続ける
嗜好の定着とは、日常的に飲んでいるものは、毎日飲まないと落ち着かなくなってしまうことです。お酒もそうですが、コーヒーやコーラを毎日一定量飲むことが日課になってしまっている人は多いと思います。
コーヒーを毎日飲むことが悪いとは言いませんが、一般的に食べ物や飲み物は同じものを連続で摂取するよりも、多種類のものを間隔を空けて摂取するほうが体へのリスクは少なくなります。つまり、バラエティーに富んだ、さまざまな飲み物を飲むべきなのです。
もっと長いスパン、すなわち人生の流れでみた場合、食べ物や飲み物の嗜好が定着するのは18歳くらいです。つまり、高校生頃までによく食べて(飲んで)いて好きだった食べ物や飲み物が、一生を通じて好きなものになるわけです。いわゆる「オフクロの味」です。
日本のサンタの服はコカ・コーラ色
たとえば、子どものときにハンバーガーやコーラが好物で頻繁に食べたり飲んだりしていたら、その子は成長しても嗜好は変わることなく、ハンバーガーとコーラが大好きな大人ができ上がるわけです。同様に、ご飯よりもパンを好んで食べる子どもが増えると、その十年後には日本の米の消費量が減少します。
アメリカの小中学校には給食という制度はなく、学校内にハンバーガーショップなどが出店しています。ハンバーガーやコーラの企業にとって、このシステムは将来の優良顧客を確保するための、非常によく練られたビジネス戦略だと思います。
ビジネス戦略と言えば、日本ではサンタクロースの服は赤に決まっていると思い込んでいる人が多いようですが、実際には世界のサンタクロースはさまざまな色の服を着ています。実はこの赤い服はコカ・コーラ社が宣伝用に考え出したもので、サンタの服の赤色は「コカ・コーラ」のラベルとまったく同じ赤色なのです。「サンタクロースは赤色の服を着ているものだ」というのはコカ・コーラ社による刷り込みの結果です。