コーヒー業者がつくった「コーヒーブレイク」

② 手軽に飲める

手軽に飲めるとは、文字通りいつも手元に置いて、24時間いつでも摂取可能ということです。ちょっと手を伸ばすと、そこにはペットボトルがある状態です。食事は通常1日3回限定ですが、飲み物は常に飲むことができます。ですから、1日の飲み物の総量を計算すると、結構バカにならない量になります。

仕事中、定期的にコーヒーブレイクを入れている人は多いかと思います。実はコーヒーブレイクという言葉は、コーラの台頭に危機感を持った南北アメリカのコーヒー業者連盟が、コーヒーの消費喚起のために1952年につくった宣伝用コピーです。

「運転したらコーヒーブレイク」と呼びかけ、急速な車社会となりつつあったアメリカにおいて、コーヒーを飲めば運転中の注意力が保てると訴えたのです。同時に軍部を抱き込んで、軍部全体(兵隊だけでなく軍需産業も)にコーヒーブレイクを習慣化させました。医学的にはコーヒーでブレイクする必要はまったくありません。水分補給が目的なら、コーヒーに限らず、水でもお茶でも何でも大丈夫です。

カップに入ったホットコーヒー
写真=iStock.com/alvarez
※写真はイメージです

アメリカの貧困層が太っているのはなぜか

③ 気がつかないうちに過剰摂取

気がつかないうちに飲み物からカロリーを過剰摂取して、肥満になってしまうことがあります。一般の人は、食事のカロリーに気をつけても、飲み物のカロリーにはあまり注意を払わないことが多いようです。たとえば、アメリカの貧困層には肥満が多く、その大きな原因のひとつはおそらくコーラの飲み過ぎだろうと私は思っています。

人間は摂取カロリーと消費カロリーの差で太ったりやせたりします。運動をすると当然カロリーを消費します。体重70kgの男性の場合、歩行による消費カロリーは、ゆっくりめ(時速4.0km)に15分間歩いて55キロカロリーくらいです。少し速め(時速4.8km、分速80m、不動産広告で駅から何分という場合の歩行速度)で15分間歩いても64キロカロリーくらいです。

たとえば、「コカ・コーラ」をコップ1杯(200ml)飲んだ場合は、90キロカロリー摂取したことになるので、その分の摂取カロリーをチャラにしようとすると、早歩きで20分は歩かないといけない計算になります。なお、歩行による消費カロリーの目安は、普通に歩くと20分、速めに歩いて15分で自分の体重とほぼ同じカロリーを消費できると思ってください。運動でカロリーを消費するのは、結構大変だということをご理解ください。