「男女同額の月4000円の会費」に心が動いた

翌日、私がよく参加する婚活パーティの事務局から「マッチングアプリの入会案内」のメールがきた。

「ヤリモク」の和馬さんの一件(第1回参照)ですっかりアプリにこりていた私だが、「男女同額の月4000円の会費」に心が動いた。無料ではなく有料に興味をもつというのも変な話だが、それだけ“いい人”がいるのではないかと思ったのだ。この時の“いい人”とは「恋愛感情をもてる人」である。そしてこのアプリに入会した。

クレジットカードで月額料の支払いを済ませたら、自分のプロフィールを入力する。サイト上ではニックネームで表示されるが、運転免許証など本人確認書類の提出が必須のため、本当の年齢や名前を偽ることはできない。ここまでは無料アプリでも同じだったが、この有料アプリは男女ともに「独身証明書」「年収証明」「学歴証明」の書類を事務局に提出すると、プロフィール欄に“証明マーク”が付く。

入会して使ってみると、無料アプリより格段に良かった。特に、独身・年収・学歴証明をしている男性会員は結婚への本気度が高い。無料アプリではヤリモクの和馬さんがドラムを叩いている写真をアップしていたように、「日常の一コマ」の写真が多かった。対してこの有料アプリでは、お見合い写真のように真面目なスーツ姿をアップしている人がほとんど。少なくとも「第2の和馬」はいなそうだ。

2カ月で70人の男性から「申し込み」があった

自分のプロフィールに「いいね!」が押されたら、相手の脈アリサイン、その上が「申込み」だ。相手の「申込み」に対して、「申込みありがとう」をクリックすると、いわゆるマッチングの成立。

40代後半でバツイチ子持ち、しかも成人したとはいえ子どもと同居している――このような条件では難しいだろうと思ったが、意外にもアプリに登録してから定期的に申込があり、丸2カ月経つ頃には、申し込みが70人に達した。年代別に分けると、30代5人、40代44人、50代18人、60代2人、70代1人である。

これまで私は15人に「申込みありがとう」を返してマッチングした。その後、この有料アプリでは最低5往復のメッセージ交換をしなければ、LINEなどの個人情報を教えられない。5往復に達すると、「LINE交換推奨」が表示される仕組みなのだ。

アプリ事務局は「24時間パトロールを実施」を掲げ、このルールに反するやりとりをしたことが発覚した場合はアカウントが停止される。私は一度相手への3度目のメッセージを書く時に、あやまって「LINE」と書いてしまった。すると即座に赤文字が点滅し、警告マークが。

この5往復というのは意外にハードルが高く、マッチングした15人中、5往復までメッセージ交換できたのは実は4人だけである。大抵そこまで話が続かない。