なぜ秋にスズメバチは活発なのか

スズメバチに関しては、働きバチが巣を拡大させる初夏から秋にかけて最も活動が活発になり、この時期に被害が多発している。

今年の9月11日に、福井県の一乗城山を訪れていた男女21人のグループのうち、8人がスズメバチに刺されるという事故があった。この事故では、8人のうち60代男性にアナフィラキシー症状が現れたため、防災ヘリで搬送された。幸い命に別状はなく、ほかの7人も自力で下山した。

 アナフィラキシーというのは、ハチ毒に対してアレルギーを持っている人に見られる過敏反応で、重症になると嘔吐や呼吸困難、全身の蕁麻疹などが引き起こされる。最悪の場合、死に至ることもあり、日本では例年10〜20人ほどが命を落としている。

2022年9月22日には、佐賀県有田町の竜門峡付近で登山をしていた60~70代の夫婦2組が、やはりスズメバチに刺されて病院へ搬送された。4人とも命に別状はなかったが、男性一人がハチを追い払おうとしたときに沢に転落し、腕の骨折という重症を負ったという。

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クマと遭遇した時の対処法

もともと山はクマやスズメバチなどの野生生物の生息域であり、登山というのは彼らの生活圏に入り込んでいく行為である。彼らとの無用なトラブルを回避するには、なるべく遭遇しないようにするのがいちばんだ。

クマは本来、臆病な動物であり、人間の気配を感じれば、彼らのほうから逃げていく。山に入るときは、クマ鈴を鳴らす、笛を吹くなどして、こちらの存在をアピールしよう。新しい足跡や糞などの痕跡を見つけたら、速やかにその場から遠ざかる。自治体やビジターセンターなどでは、クマの出没情報を発信しているところもあるので要チェック。出没情報があるエリアには近づかないようにするのが無難だ。

もしクマと遭遇してしまったら、慌てて逃げ出したり、大声を出したりせず、ゆっくり後ずさりをしてその場を離れる。襲いかかってきた場合は、クマ撃退スプレーを用いて対抗するか、防御態勢(うつ伏せになって首のうしろで両手を組む)をとって攻撃に耐えるしかない。