友だち関係の最初はギャンブル

友だち関係は、少なくとも最初は感情のギャンブルにほかならない――デートと同じように。成功させるには、自分を多少なりとも見せる必要がある。自分を見せると評価を下されるかもしれないし、場合によっては拒まれるかもしれない。結局その人と――しかるべきさまざまな理由から――友だちになれない可能性を受け入れる準備がなければならない。

どの友人関係にも火がつく瞬間がある。当然、片方が意識して好奇心を示す必要がある。手を差しのべるのを恥ずかしがるべきではない。“わたしはあなたに興味があります”と言うのは、よろこびを示すひとつのかたちだし、すでに確認したように、よろこびは栄養になる。会ってコーヒーを飲めたらうれしい、あるいは誕生日パーティーに出席してほしい、と初めて口にするときは、たしかに気まずいかもしれない。でも、実際に出席してくれて実際にうれしかったら、ふたりとも贈り物を手に入れる。相手のなかに光を見つけて、新しい何かをいっしょにつくっている。ホームの感覚を築いている。

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友人デニエレとの出会い

おもしろい話がある。友人デニエレと最初に出会ったのは、ホワイトハウスの車まわしだった。サーシャのところへ遊びにきていた娘のオリヴィアを、彼女が迎えにきたときのこと。オリヴィアとサーシャは学校で知りあい、地元のバスケットボール・チームでいっしょにプレイしていて、新しい友だち関係がはじまったばかりのややぎこちない段階にいた。出席した二、三の学校行事でわたしもデニエレを見かけていて、集まった大勢の人たちから距離をおいてうしろのほうにいるのに気づいていた。正直なところ、わたしに会うのに興味がなさそうなのがありがたかった。