腹囲の基準値が「女性90センチ、男性85センチ」の謎

畑中三応子『熱狂と欲望のヘルシーフード 「体にいいもの」にハマる日本人』(WEDGE)

健診では、まずへその高さで測る腹囲でふるいにかけられる。女性は90センチ、男性は85センチ以上かどうかが最初の判定基準。それに加え、血圧、血糖、脂質3つのうち2つ以上が基準値をはずれると、メタボリックシンドロームと診断されて保健指導が行われる。

健診スタート時から上がったのが、腹囲の基準値が海外に比べて厳しく、しかも男性により厳しく、女性には甘いという批判の声だ。

腹囲が重視されるのは、内臓脂肪の蓄積状態を知る目安になるからだが、平均身長と平均体重とも大きい男性のほうが女性より基準値が小さいのは、なんとも奇妙だ。

40~69歳男性のほぼ半数が条件にあてはまってしまう

女性のほうが皮下脂肪が多くついている傾向にあるのが理由だそうだが、欧米は男性94センチ以上、女性80センチ以上、体型が近い中国、南アジアでも男性90センチ以上、女性80センチ以上と、海外の基準はどこでも女性のほうが数値が小さいのである。

40~69歳日本男性の平均腹囲はおおよそ85センチ。ということは、ほぼ半数がメタボの腹囲条件を満たすことになる。2人に1人はメタボかその予備軍にあてはまったのは、基準が厳しすぎるからかもしれない。

一方、厚生労働省のデータによると、女性の場合は90センチ以上の割合は40代で約11%、50代は約16%、60代でも約24%と、どの年代でも基準値を超える人は少ない。男性、気の毒である。

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