新しい「指標」を取り込んだ体重計を毎年発売
男性では体脂肪率25%以上、女性では30%以上が肥満と判定される。家庭で簡単に計れる体脂肪率で肥満度を認識させる新しいヘルスメーターの出現は、ダイエットの画期にもなった。
雑誌のダイエット特集では、体脂肪が話題の的になった。体脂肪が多いと糖尿病やがんになりやすいこと、標準体重以下で一見スリムでも体脂肪の多い「かくれ肥満」が若い女性に多いこと、体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があって内臓脂肪型肥満のほうが病気を引き起こすリスクが高いことなど、体脂肪をめぐるさまざまな危険情報を提供した。
「健康増進法」が施行され、内臓脂肪型肥満が引き金で高脂血症、高血圧、高血糖が起こるメタボリックシンドロームが国民的関心事になりはじめたのは2003年である。それに先駆けてタニタは2001年に内臓脂肪率がチェックできる体脂肪計、2002年には基礎代謝も計れる体脂肪計、さらに筋肉量、推定骨量まで測定できる体組成計を2003年に発売した。
社会現象になったタニタのダイエット定食
こうして体重計、体脂肪計、体組成計と、体内の見える化が進み、健康増進に役立てた人は多いことと思う。一方で、健康度を読み取る指標として数値の呪縛が強まってはいないだろうか。健康かどうかが家庭でも簡単にデジタルで分かるようになり、逆にストレスを抱えるようになった人も少なくない気がする。体内の見える化には、受け取り方によってよい部分と悪い部分の両方があるのではないだろうか。
『体脂肪計タニタの社員食堂』は、タニタの社員食堂で提供する日替わり定食31種を紹介するレシピ本。1食わずか500キロカロリーに収まる低脂肪、低塩の定食レシピを考案したのは、社員食堂を担当する現役栄養士だ。ご飯と味噌汁、主菜と副菜2品で構成される定食はどれも質素で素朴だが、どこかほっこり感があり、野菜がたっぷり使われているので低カロリーにしては満腹感が得られそうだ。特別な食材は使わず、作りやすそうなのが、よく売れた理由のひとつだろう。