家計の立て直しは月4万円の携帯電話代からカット

ここまで極端ではないにせよ、どちらか片方だけにお金の管理を任せてしまっている世帯は珍しくないと思います。このパターンで問題なのは、大人になっても“お小遣い”感覚が抜けず、家計管理のスキルが欠如した人になってしまう、ということです。

すると、ライフプランに合わせた貯金やお金の育て方もわからず、ただただある分を使い果たしてしまう。ギャンブルなんかではない浪費でも、行き過ぎれば破産の恐れだってあります。

一方、加藤さんはいま75歳ですから、これからお金を育てて……というのはあまり現実的ではないでしょう。また、25万円の収入があるので生活保護は厳しいとなると、ここからは生活を立て直して家計を切り盛りすることが必要だと判断しました。

まず、毎月4万円にもなっていた携帯電話代のプランを変更し、LINEといった無料通話アプリを導入。費目ごとに支出をチェックして、抑えるべきところを確認して守ってもらう、という地道な生活再建をはじめています。

ご本人はまだまだいたって健康で活動範囲も広いので、お金を使う機会も多い。それでも、これから歳を重ねるにつれて生活は縮小していくでしょうから、細く長く、かつ充実した余生を過ごせる家計管理スキルを身に付けていってほしいと思います。

私としては、メディカルチェックならぬ毎月の“ファイナンスチェック”で、加藤さんの家計の健やかな推移を見守っていくつもりです。

(構成=小泉なつみ)
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