「ダメ出し」は大人にしか通用しない

「そんなんじゃダメだよ。もっとできるだろう」「こんなこともできないの?」といったダメ出し。「奮起して本来の力を発揮してくれるだろう」という、親としての期待によるものであることは理解できます。

ただそれは、「もう一度頑張れ。お前ならきっとできる、という意味だな」という、ダメ出しに込められた真意がわかるからこそ有効なコミュニケーションです。

さきほど述べたように、子どもは「ダメだ」と言われたらそのまま「自分はダメだ」と受け取ります。そして、「そんな自分が次に頑張ったって、うまくいくはずがない」と考えます。そのため、チャレンジを避けるようになります。

ダメ出しに込められた「もっと頑張ったらできるようになるよ」というメッセージを、子どもはまだ受け取ることができないのです。

自分自身が頑張ってきた親ほど危ない

大人である私たちでも、ダメ出しをされると落ち込んでしまうものです。そこで奮起して「よし、やってやるぞ」という気持ちになる人がどれだけいるでしょうか。それが子どもなら、なおさらのことです。

小川大介『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)

それならば親御さんの真意が伝わるように、否定ではない声かけをしていきましょう。

特に、あなたが高学歴であったり、努力して社会的に成功してきたり、恥ずかしい思いをしたくないと自分を律してこられたりした方である場合は、要注意です。

このような方はダメ出しに対して奮起できてしまう、ごく限られた人だからです。

頑張れてしまうあなたが特別なのであって、お子さんを含めほとんどの人にとっては、ダメ出しを前向きなエネルギーに変えるのはとても難しいと理解してください。

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