状況を察せられない人の話は、きっぱり遮断する

時間がないときにかぎって世間話をしてくる同僚に困っている人も多いのではないでしょうか。まったく相手にしないのもカドが立つからと少し相手をしてしまったら最後、いつまでたっても話をやめようとしないので困ってしまう。そんなこともあるでしょう。

こういう人は、しゃべらずにはいられないタイプであることは間違いありません。なおかつ仕事へのモチベーションが低い。そんな人にいつまでも付き合えませんから、「悪いけど今は忙しくて話していられないんだ」と、こちらの状況を伝え、遮断するしかありません。

おそらくこういうタイプの人は、一度や二度、断ってもまた繰り返しやってきます。それでもその都度、「まだ、終わらないんだ」とか「今ちょっと切羽詰まっているんだ」と伝えるしかありません。少しは察してくれるようになるまで、それを続けるしかないのです。

いちいち言わなくても忙しいことくらいわかるだろうと思うかもしれませんが、相手の状況をまったく察することができない人がけっこういるものです。そういう人にはイライラしたり、腹を立てたりするだけ損。人の性格を変えるのは無理ですから、遮断するのが最良の対処なのです。

夫婦関係は“修行”だと思って聞いてあげるのが得策

しかしそれが家庭になると事情は変わってきます。1日働いてくたくたで帰宅したと思ったら、「今日隣の奥さんにこんなことを言われたんだけど……」などと、どうでもいい出来事や愚痴を聞かされるとうんざりしますよね。しかし奥さんの話は遮断するのではなく、極力、聞いてあげるのが正解。

立場が違えば感じることも違うもの。こっちにとってどうでもいい話も、向こうにとっては一大事だったりします。耳の痛いことを言うようですが、実のところ奥さんは奥さんで、旦那の話にはうんざりしているものです。つまりお互い様なのです。

夫婦といえども、生きている世界は違っていて、関心も異なります。そのために話を遮断し合うようになると、いずれ夫婦関係はこじれます。そうなれば家庭での居心地も悪くなり、落ち着ける場ではなくなります。ひいては体調面にも支障をきたすことになりかねません。

家庭は仕事の疲れを癒やせる場にしておきたいものです。職場の人間関係とちがって夫婦はずっと続きますから、後々のことを考えれば、まだ話しかけてくれている間に、修行だと思って聞いてあげるのが得策なのです。

職場であれ家庭であれ、長い話に付き合うのは面倒ですが、くれぐれも感情的になって対決するようなことは避けましょう。そんなことをすれば、自分をますます不快な状況に追い込むだけです。話の長い人も適切に対処すれば、案外何とかなるものだし、関係を害することなく自分のペースで仕事もできるようになります。そう信じて我慢強く賢く対応しましょう。

(構成=大島七々三 イラストレーション=髙栁浩太郎)
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