景気後退でウクライナでの戦争継続に問題も

そうした展開が現実となれば、ルーブルの下落は鮮明となるだろう。自国通貨の下落によって、ロシアの輸入品の価格は押し上げられる。食品、日用品、家電などの価格は上昇し、ロシア国民の生活の苦しさは増す。個人消費は減少し、雇用、所得環境の悪化懸念も高まると予想される。

ルーブル安の食い止めと、インフレ沈静化のために、ロシア中銀が大幅な利上げ実行に追い込まれる恐れも増す。その結果、ロシア経済の縮小均衡は深刻化するだろう。ロシア経済が、物価の高騰と景気後退が同時に進行する“スタグフレーション”に向かう恐れも排除できない。

今後、ロシア経済はかなり厳しい状況に向かいそうだ。市民生活の苦しさは高まり、厭戦えんせん感情が広まる展開も考えられる。財政悪化によって、戦費負担も難しくなるのではないか。ルーブル下落と物価高騰、景気後退の深刻化などを背景に、ロシアがウクライナでの戦闘継続が難しくなる展開も想定される。

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