北海道でさつまいもフィーバーのワケ
営農情報誌「アグリポート」VOL40(2022.12)には、北海道立総合研究機構 上川農業試験場研究部 生産技術グループ主査の髙濱雅幹さんの話が掲載されている。
それによれば、
・一部地域を除き全道で生産されており、防除もほとんどいらず、手間がかからない。
・当初は皮の白い焼酎原料用のさつまいも「コガネセンガン」を作ったが、近年は道内あちこちで皮の赤い青果用のさつまいもづくりも。
・北海道外産と比べ、でん粉質が少なく、でん粉の粒も小さい。そのため熱を加えるとしっとりと甘くなる。近年は「ホクホク」より、「ねっとり」食感が好まれつつあり、北海道のさつまいもはこうしたニーズに合致。
・最近ブームのわらび餅も、さつまいもでん粉製が多い。道産の芋のでん粉は保水性が高く、わらび餅の滑らか感とマッチする。
ということは、北海道産のイモ焼酎や焼き芋のほか新作のスイーツが今後、全国的に知名度が上がり人気になる可能性もあるかもしれない。
なお、じゃがいももさつまいもと同様、江戸期にやはり救荒作物として日本に導入されたが、当初、有毒説により導入が遅れた地域もあって、好きな地域の分布にはばらつきが認められる。