眞子さんへのけじめは称賛されるべき
さらに、悠仁さまにとっては、できるだけ多くの時間を両陛下や上皇陛下ご夫妻と過ごし、公務にも同行されることが好ましい。帝王としてふさわしい、独特の雰囲気を醸し出すような言葉遣いとか、所作をするような教育を秋篠宮殿下は受けておられないわけで、陛下からしか学べない帝王教育がある。
ときとして、秋篠宮殿下では「天皇らしくない」という違和感を持つ人がいる原因はそのあたりにあるのだが、長男と次男の育て方が違うのは普通のことだ。それに限らず秋篠宮ご一家に対する批判は的を射ていないものが多い。
紀子さまについて雅子皇后に比べて好感度が低いという人もいるが、それは、皇后陛下に対する敬意の裏返しである。雅子さまも皇太子時代は美智子皇后と比べられ誹謗されていた。それに加え、紀子さまの良妻賢母路線に対して、キャリアウーマン志向の人から反発もあるのだと思うが、そのあたりは、別の機会に改めて論じたい。
「皇嗣殿下にしかできない役割」に期待したい
眞子さんの結婚について、秋篠宮殿下ご夫妻を批判する人が相変わらず多いが、私は、けじめをきちんとつけられたことを評価すべきだと思う。
私も、あの結婚は元内親王としての品位を保ちうるか疑問が多く、好ましくないと批判したが、最後は本人がどうしても結婚したいというのを阻むのは憲法上も好ましくないし、法的にも手段がない。
しかも、1億数千万円の一時金や各種の行事も辞退され、皇室とも距離を取られるというのは、見事なけじめの付け方であろう。眞子さんは高校生の時から単独公務を始められて、非常に熱心に高い質で取り組まれており、皇族として十分に務めは果たされた。
佳子さまも、20歳の時から単独公務を開始され、とくに、新型コロナ禍が収束してからの活躍ぶりは、目を見張るものがある。これから皇室外交でも大きな力を発揮すると思う。
過去の記事でも、秋篠宮ご一家のお住まいや生活ぶりが贅沢だという批判が不当だということを取り上げた。
今回解説したように、秋篠宮殿下は皇嗣という、従来の皇太子とは少し異なる特殊な立場におられる。その立場を生かして、天皇の代理として皇室外交でご活躍いただくとともに、宮内庁や政府も協力して、皇室内外と陛下の橋渡し役や助言者としての前向きな立ち位置を形成されることを期待したい。