「USBメモリ詐欺」が大学ではやっている

金融機関が悪い印象を持たれているのは、まだネット証券が普及しておらず、営業員が売り込みに来る対面販売の時代の影響だろうと述べました。

いまでも金融機関に悪い印象を持っている方もいるかと思いますが、年々規制が厳しくなっています。かつてのように悪質な販売方法の被害にあう機会は減ってきているでしょう。

1つだけ詐欺の手法をご紹介します。

特に大学生ぐらいの年齢の方、または子どもや孫が大学生ぐらいの年齢という方は、ぜひ手口を知っていただきたいと思います。

いま大学でこの詐欺が非常に流行っており、私も何名か被害にあってしまった学生と話をしました。

その詐欺とは「USBメモリ詐欺」です。

サークルの先輩やバイト先の同僚から持ち掛けられる

この詐欺はだいたい知り合いから持ち掛けられます。

ゼミの同期だったり、サークルの先輩だったり、バイト先の同僚など、自分を騙したりしないであろう、近い関係の人が多いようです。

大学に入ると人間関係が広がりますから、詐欺話を持ち掛けてくる人の幅も広がるのです。

よくある展開としては、知人・友人から「投資で成功した人」を紹介したいとカフェに呼び出されるそうです。

写真=iStock.com/RRice1981
「投資で成功した人」を紹介したいとカフェに呼び出される(※写真はイメージです)

カフェに行くと自分1人に対して先方は2人いて、まず数的優位を作られてしまいます。

高級なタワーマンションでの生活や、海外旅行などの写真をたくさん載せたインスタグラムなどを見せられながら、いかに自分が若くして成功しているかを延々と説明されるようです。

さすがにプロの詐欺師ですから、聞いている側が「自慢話ばかりでウザいなぁ」と思ってしまうようなトークはしません。

むしろ「自分と年齢が変わらないのに、こんなに違う世界で生きている人がいるのか」と感心してしまうようです。