日本は今以上の監視社会になっていくのか
警察庁警備局時代に数々のテロ事件の統括責任者を務めてきた亀井静香元衆院議員は、週刊現代(4月29日号)でこう語っている。
「個人が起こすテロには対処しようがありません。どんなに警備を厚くしても、個々の気持ちや行動をすべて把握するのは不可能です。金属探知機を導入しようが、SPを増やそうが意味はない。安倍元首相や岸田首相が狙われたように、これからも政治家へテロ行為は続くでしょう」
山口二矢が浅沼を暗殺したことで、社会党は党勢を失っていった。安倍元首相を暗殺したことで、統一教会と自民党との癒着構造が白日の下にさらされ、教会と関係の深かった閣僚たちが次々に辞任し、教会にも解散命令が出されるかもしれない。
木村容疑者の事件の影響は、自分がおかしいと思うことを世間に知らしめるためには、首相を狙うのが一番効果的だと、多くの現状に不満を抱いている人間たちに思わせたことではないか。
新しい戦前が始まっているといわれる。そこは、一見動機とは思えないような動機で、テロが頻発する時代になるのかもしれない。
しかし、テロを口実に、今以上の監視社会、警察国家にしようという声が政治家たちの中から出てくるほうが、私にはもっと怖い。