年金受給年齢が引き上げられている理由

ではなぜ、年金を受給できる年齢が引き上げられているのか、疑問に思うかもしれない。

(同世代の)半分くらいが死んでいなければ、生きている人の年金が払えないのである。

皆が長生きすれば、その分支払う総額も増えてしまう。平均寿命が長くなるのは良いことだが、年金に限っていえば、半分くらいは死んでもらわないと支払えない。だから、支払いを先延ばしするしか手がないのだ。

こんなことを言うとたいてい怒られるのだが、制度としてそういうものであるのは、まぎれもない事実だし、あくまで数字の上ではこれが現実なのである。

私は事実しか言っていない。

長生きすれば得をし、早死にすれば損をする。

年金はそういう制度である。

受給については、65歳まで待たず、前倒しして60歳から受給することもできる。ただ、1回分の受給額は減額されることになるので注意が必要だ。若ければ、それだけ(同世代で)死ぬ人の確率が低くなるから、年金を減額しないと制度として辻褄が合わない。

逆に、受給をもっと先延ばしにすると、年を取れば取っただけ(同世代で)亡くなる人も増えてくるから、受給額も上がるわけである。

減額か増額かは完全な数理計算で分かることであり、計算に基づいて額が決められている。

どちらの制度を選択しようが、長生きすればすごく得だし、早く死んでしまえば何の得にもならないのである。

株式市場にはうかつに手を出さない

最近、「金利の低い銀行にお金を預けるより、投資した方がいい」「これからはNISAがお得」といった話を耳にする機会も多いのではないだろうか。

最近、NISAや投資信託をすすめられることが多いようだが、これらをやるのは、金融機関の職員を手数料で食わせるようなものである。夢のない話に聞こえるかもしれないが、貯金の方がよほどマシかもしれない。

お金が余っているからと、株式市場にうかつに手を出すのはやめておくことだ。分からないなら、下手に手を出さないに限る。金融機関を儲けさせるだけだ。

もし投資したいのなら、自分の仕事まわりのことに投資する方が良い。おいしい話があると投資をすすめられたら、その話は眉唾だ。よくよく気をつけるべきである。

金融機関の言う「おすすめ商品」を、鵜呑みにしないことだ。金融機関が商売の手段として売り込んでいるわけだから、本当にあなたにとってのおすすめかどうか、かなり微妙だろう。

そして、金融機関の言うことを信じて買ったとしても、買った瞬間からすべては自己責任である。結果がどうなろうと、「おすすめされたから」は言い訳にならないのだ。

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