「勝って驕らず、負けて腐らず」を常に意識すべき

ものごとが思いどおりに進めば嬉しくて喜び、思うように進まなければ辛く悔しい。喜怒哀楽のある人間ですから、そう感じるのは当たり前です。

でも、それも程度問題。いいことがあるとすぐに感情を爆発させて大はしゃぎし、かと思えば、些細なことでも落ち込んで目も当てられないほど悲観的になったり――。あまりに感情の落差が激し過ぎるのは、大人として考えものと言わざるを得ません。

「勝って驕らず、負けて腐らず」という言葉があります。いいときに思い上がらず、悪くても不貞腐ふてくされるなという意味です。調子がいいときに、「オレは実力がある」とうぬぼれて必要以上に過信すると、そこには必ず落とし穴があります。逆に調子が悪いときに「オレはもうダメだ」と必要以上に自己否定すると、本当にそこでダメになってしまうものなのです。

細かいことで一喜一憂する人は自分を見失う

『クラブ由美』にはスポーツ界のお客さまもよくお見えになられますが、一流と呼ばれるスポーツ選手は、みな「勝って驕らず、負けて腐らず」の姿勢を貫いているといいます。これはある武道家の方にお聞きしたのですが、「礼に始まり、礼に終わるのが武道。試合に勝った喜びのあまり舞い上がってその礼を怠るようなことがあれば、『武道家としては負け』の烙印を押されてしまう」のだとか。

目の前の勝ち負けに一喜一憂せず、常に平常心を忘れない。勝って兜の緒を締めるが如く、結果に満足せずにさらなる高みを目指し、負けて自らの今の実力を知り、腐らずにさらなる精進に励む。こうした姿勢を持てる者が、本当の意味で「強く」なるのだと。

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これはビジネスでも同じです。仕事だっていいときばかりでも、悪いときばかりでもありません。大事なのは、それらにいちいち振り回されたり過剰反応したりしないこと。進行過程における失敗や不都合などに一喜一憂せず、着実に今するべきことを積み重ねることが、最終的な結果へとつながっていくのです。

それに一喜一憂ばかりしていると、人は自分の感情を見失いやすくなります。その場その場で感情を上下させてばかりいると、だんだん自分の感情をコントロールできなくなってくるんですね。