リボ払いは絶対にやらない

クレジットカードは便利なものですが、「借金をするのと同じ」という意識が必要です。クレジットカードを使ったなら、引き落とし日までにお金を用意する必要があります。残高不足を放置していると延滞となり、借金と同じく延滞金がかかってしまいます。さらには信用情報に傷がつき、住宅ローンなどを組みたくても組めなくなるおそれもあります。

クレジットカードには、複数の支払い方法があるため、どの方法を選ぶかも考える必要があります。分割払いやリボ払いを利用した場合、代金の引き落としに余裕がありますが、そのぶん手数料がかかることに注意が必要です。

この手数料は、利用額や完済までの期間に応じて高くなっていきます。なかでもとくに気をつけなくてはならないのは、リボ払いです。リボ払いが危険だというのは、記事やSNSの体験談などで見て認識している人もいるかもしれませんが、具体的な理由についてはご存じでしょうか。

分割払いの場合、代金を「何回で支払うか」を決め、これに応じて毎月の支払額が決まります。ですから、分割払いした時点で、どのようなペースで返済すればいいかを把握できます。

しかしリボ払いの場合、「毎月いくら支払うか」を設定して、返済額に応じて返済期間が延びるしくみです。1万円使おうが100万円使おうが、月あたりの返済額は変わりません。リボ払いの手数料率は年率15%前後であり、非常に高い割合になっています。

たとえば15万円の商品をリボ払いで毎月1万円ずつ返済すると、支払回数は17回となり、利息は1万152円かかる計算です。

リボ払いが危険なのは、高い手数料はもちろんのこと、人の感覚を狂わせる点にあります。普通、ほしいものが高すぎたとき、「買えないから、諦めよう」と思うものです。でもリボ払いがあると「毎月1万円なら払えるから、買えそう」と勘違いしてしまい、これが積み重なると借金地獄に陥ってしまいます。

私も大学生の頃、危うくリボ払いのわなにはまりそうになりました。ある業者から布団を勧められ、「小林さん、この布団をいくらなら買ってくれますか?」と聞かれたのです。そこで私は「8000円くらいなら」と答えたところ、よくわからないまま色々な書面に記入をさせられました。

小林義崇『元東京国税局職員が教えるお金の基本』(幻冬舎)

後で書類の控えを見直してびっくり。なんと毎月8000円の8年払いというリボ払いになっていました。つまり合計70万円超えの布団を買ってしまったのです。

あのときは、友人から勧められて消費生活センターに相談し、クーリング・オフで契約を解除できました。今となってはお金のリアルを学べたとポジティブに考えていますが、もしクーリング・オフできていなければと思うとゾッとします。

リボ払いに限らず、買い物をするときはトータルコストを考えなくてはいけません。クレジットカードを使う場合は分割手数料まで計算に入れてください。できる限り、クレジットカードは一括払いでも支払いに無理が出ないように利用しましょう。

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