保険のタイプの違いを知らなければ、大損につながる

固定費として保険の見直しは有効です。必要のない民間の保険を解約したり、保険料の安いものに切り替えたりすることが、節約につながります。とはいえ、むやみに減らすと、いざというときの保障がなくなるのは心配です。

悩ましいのは、「この保険に入っておけば大丈夫」と一概に言い切れないことにあります。あらゆる状況に対処できる保険は存在せず、人それぞれ、健康状態や家族構成、リスクに対する恐怖心などが違うので、一律の答えを出せません。

そこで、代表的な保険である、生命保険から考えてみます。

生命保険のタイプには、大きく分けて以下の3つのタイプがあることを押さえておきましょう。

1 終身保険:一生涯続く保険。途中解約すると返戻金へんれいきんをもらえる
2 定期保険:一定の期間のみ保障される。保険料が安い。当初の保険期間がすぎると更新できるが、保険料が高くなる
3 収入保障保険:死亡した時期により、遺族がもらえる保険金の額が変わる。死亡時の年齢が高いほど、もらえる保険金は減る

このうち、どのタイプがいいのかを自分で考えてみましょう。

一生涯の保障がほしいのであれば終身保険、保険料を抑えたいのであれば定期保険や収入保障保険というのが、基本的な考え方です。

生命保険とは、被保険者が死亡した際に支払われるものですから、自分よりも残される家族のことを考える必要があります。

冷静に考えれば独身の人は生命保険に入る必要性はほとんどありません。自分が亡くなったとしても、生活に困る人がいないからです。

でも、配偶者に収入がない場合や、小さなお子さんがいる場合は違います。

たとえば私が入っている生命保険は収入保障保険のタイプなのですが、これは子どもが小さいうちは保障を手厚くし、彼らの成長に合わせて保障を抑えるタイプです。

小林義崇『元東京国税局職員が教えるお金の基本』(幻冬舎)

また、住宅ローンを組む場合に加入する「団体信用生命保険」も有効です。この保険は、住宅ローン返済中に契約者に万が一のことがあったときに、住宅ローン残高をゼロにしてくれます。

もし世帯主である私が死亡したとしても、収入保障保険や団体信用生命保険によって、家族の当面の生活は保証されます。

少なくとも、3人の息子が大学を卒業できるくらいの金額は保険金で賄えるはずです。そして、私が50代になり息子たちが独立する頃には、収入保障保険の保険期間が終わり保険料の支払いがなくなります。

このように、生命保険は家族構成や年齢をもとに考えることで無駄をなくすことができます。

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