日常生活には無駄がいっぱい

固定費を減らしたら、次は普段の生活のなかにある細かな無駄を減らしていきましょう。毎日の習慣になっているような支払いがあれば、本当に必要なのかを考えてみてください。

たとえばショートサイズのスターバックスラテを飲むと1杯415円ですが、これを平日朝に毎日飲むと年間10万円を超える出費です。結構大きな金額ですよね。コーヒーだけでなくタバコやゲームの課金など、ちょっとした金額のように見えて、習慣化するとかなりの出費になってしまいます。

スターバックスの紙コップ
写真=iStock.com/sndr
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私は国税職員時代に相続税調査を担当していたため、資産家の生活ぶりを知ることができました。そこで印象的だったのが、資産家の多くが質素な生活ぶりだったことです。彼らは、投資用の不動産や株式、教育費などに大金を使う一方で、ちょっとした無駄は徹底して避けていました。

投資の神様と呼ばれ、1000億ドルを超える資産をもつとされるウォーレン・バフェットも、日常生活では倹約家として知られています。朝食ではマクドナルドばかりを食べて、散髪には10ドルしかかけていない、という彼の話は有名です。

現代は、小さな無駄遣いをしやすい環境になっています。「今日買えばポイント2倍」「1000人に1人が全額キャッシュバック」といったキャンペーンを目にすることが増えていますが、そうした広告につられると無駄遣いが増えてしまいます。

会社に通勤するだけでも、広告を見ないでいることはできません。朝に見るテレビや新聞、通勤電車の車内広告、スマホアプリやメールなど。誘惑はそこら中にあります。

さらに近年は、特定のターゲットにインターネットから広告配信を行う「ターゲティング広告」が多く使われています。たとえばスマホを使っている際に、あなたの検索履歴や行動履歴は逐一データベース上に蓄積されています。

その内容を元に、あなたの購買意欲を喚起するような、最適な広告が画面上に現れるようにAIによって管理されているのです。広告で知ったものが自分にとって価値があるものであればいいのですが、無駄遣いにつながりがちです。「本当に買うべきなのか?」ということを、お金を払う前に考えてみてください。