政治の前進を阻む人たち
「政治不信」などと言われて久しい日本ですが、世の中には政治家にしかできない仕事がたくさんあります。
政治には既得権益層との付き合いがつきものです。しかし、口だけで持論を述べるだけではなく、自分が理想とする政策を「実行」していくためには、ときには既得権益層と戦わなくてはいけない局面もあります。
既存の規制や法律に守られてきた層や、その層をバックにもつ議員たちの猛反発にさらされ、悪くすれば政治家生命を絶たれる恐れすらある。
これは、いわゆる「識者」たちがメディアでよく主張する「さらなる話し合いを」などという生ぬるいことでは済まされない、厳しい政治闘争です。
そこをかいくぐりながら、必要とあらば相手を倒す構えで実行力を発揮していく。選挙を勝ち抜いた猛者同士、嫉妬・敵意・足の引っ張り合いが渦巻くなかで激しい政治闘争を繰り広げながら、政策を推し進め、改革を実行するというのは、まさに政治家にしかできない仕事なのです。
また、現在の役所の体制・権力機構・行政機構を抜本的につくり変えるというのも、政治家にしかできない仕事です。
体制を抜本的につくり変えるというのは、権力や金をあるところから別のところに移譲することなどを通じて、霞が関の省庁、都道府県庁、市町村役場という仕組みそのものを変えるということです。
当然、ここでも現行の体制・仕組みが変わることで不利益を被る既得権益層との戦いが必ず起こります。
現行の体制を抜本的に改革するのは野党政治家の役目
僕が政治家時代に掲げてきた大阪都構想は、まさにこの、体制の抜本的改革に挑戦したものでした。ひとことでいえば、大阪府庁、大阪市役所という権力機構・行政機構を大胆につくり変えるという大構想。
当然、予想されたことですが、それが実現したら自分たちの不利益になると案じた人たち、つまり大阪市議会議員、大阪市職員、職員OB、各種業界団体、各種地域団体などなど、ありとあらゆる既得権益層の猛反発に遭いました。
結局、2015年に行われた大阪都構想の是非を問う住民投票は、1%という僅差で否決されました。