マッキンゼーがやっている思考術

「ソラ・アメ・カサ」はマッキンゼーに在籍していた当時に習った思考のフレームワークで、非常に汎用はんよう性が高いため、マッキンゼーを卒業した後も資料作りやプレゼンテーションに応用して使っています。

社員向けの研修を準備している中でギャップフィードバックの進め方をフレームワーク化しようと考えたときに、「ソラ・アメ・カサ」のフレームワークがばっちりと当てはまることに気がつきました。

ギャップフィードバックでの活用方法を説明する前に、「ソラ・アメ・カサ」とは何を意味しているのかを説明しておきましょう。

写真=iStock.com/Vladimir Vladimirov
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事実→課題→打ち手で考える

「ソラ」

ソラは「事実や事象」です。空を見上げると、雨雲が多い。これが事実であり、事象です。誰が見ても「空には雨雲が多い」というのは、ゆるぎない事実と言えます。

「アメ」

アメは「課題や問題」です。「空に雨雲が多い」という事実(ソラ)から推察して、「雨が降るかもしれない」というふうに課題(アメ)を特定します。

「カサ」

カサは「改善案や打ち手」です。「雨が降るかもしれない」という問題があるので、雨に濡れないように「傘を持って出かける」という打ち手(カサ)に繫がるのです。

シンプルなやり方のように思われるかもしれませんが、このフレームワークは問題解決において非常に効き目があります。

コンサルティングの現場では、ゆるぎない「事実=ソラ」を集め、その事実を顧客と共有します。そして事実から導き出される「課題=アメ」を合意し、そのうえでそうした課題を解決するための「打ち手=カサ」を提案するのです。