「11月の模試では○点をとる」と目標を書き出す

実際に紙に書き出すと可視化されて、一層わかりやすくなります。例えば、紙のいちばん上には「ゴール:○○大学合格 数学:○○点、英語:○○点、物理:○○点」と書きます。その下には、「共通テストでそれぞれ○○点」その下には「11月の模試ではそれぞれ○○点は必要」と書いていきます。紙のいちばん下には直近の模試の点数を入れます。

「高校3年、5月のこの時点で点数がこれだけ低いのに、11月までにこんな点数が取れるか?」と不安に思うなら、このロードマップをもっと細分化します。「1週間でこの単語帳を終わらせる、次の1週間はこの参考書……」といった要領です。

戦略を立てる材料として先輩の経験談を聞く

ただここで、多くの受験生が戸惑うと思います。というのも多くの受験生が、「合格するにはどの程度点数をとればいいのか」「合格点をとるにはどのような勉強計画を立てればいいのか」といったロードマップを立てる材料を持ち合わせていないからです。

そこでやるべきことが「情報収集」です。しかし多くの受験生が「志望校合格のための情報収集」と言われたとき、とりあえずその大学の公式サイトを見て、それからなんとなく偏差値を見て、頑張る人は過去問を見て、それで情報収集が完了したと思い込んでしまいます。しかしそれでは不十分です。先ほどのロードマップを埋めることができません。

ロードマップを埋めるほどの詳しい情報は、他人の経験から引き出すほかありません。

例えば、自分の志望校に合格した先輩に話を聞き、「合格者はいつから勉強を始めていたのか」「高校3年の春、夏では模擬試験でどのくらいの点数の伸びがあったのか」「その勉強方法とはどんなものだったのか」などの情報を集められるだけ集め、整理して時系列に並べてください。

その人の辿った道を同じように辿り、「6月にはここまでやる」「8月には模試でこのくらいの点数を取る」とその人の経験をトレースして、細かい到達点を設定していけば、それが自然と合格までのロードマップになります。