年収の40%が飛んでいくだけでも大変だが…
全般的に見て、韓国の人たちは年収のどれぐらいを返済に使っているのでしょうか。それは、DSR(Debt Service Ratio)、「総負債元利金償還率」についてのデータから垣間見ることができます。
この場合のDSRとは、1年間返済しなければならない元金と利子が、年収において占める割合のことです。年収1億ウォン(※)の人が、元利金の返済に1年間5000万ウォンを使うなら、DSRは50%になります。税金などを考えると、給料の半分以上が元利金の返済で「飛んでいく」という意味ですから、普通は40%超えるだけでも生活にかなり響くことになります。
(※)編集部注:1ウォン=約0.1円
2022年11月9日、韓国で金融機関の監査や金融消費者保護などを担当する「金融監督院」が、ユン・チャンヒョン「国民の力」(韓国の与党)議員室に提出した資料によると、「平均金利が7%になった場合」、このDSRが70%を超える人が、190万人になります。韓国の経済活動人口は約2800万人、総家口(世帯)数は約2100万世帯です。
ローン金利が5.5%→7%に上がる予測
韓国の家計ローンの平均金利は、2022年末時点で、集計が可能なところだけですが(一部の貸付業者、違法金融業者の分は含まれません)、約5.5%とされています。当時、住宅担保ローンの最大金利が、一部で、最大で、すなわちローンの金利が高く設定される場合に7%を超えるところが多くなっていたので(2022年12月15日に一部銀行の住宅担保ローン金利は最大で7.7%まで上がり、年末には8%台の予想もいろいろ出てくるようになりました)、複数のメディアが「このまま金利引き上げが続くと、2023年に平均金利も7%になるのではないか」との予測を出していました。
そこで、金融監督院の資料をもとに、「もし、家計債務の平均金利が7%になったら、どうなるのか」を調べてみましたが、その結果、「年収から、債務を返済する分と、税金など必須的に使う分を除けば、最低限の生活費も残らない」人が、190万人になることが分かりました。