若者に我慢や犠牲を強いてはならない
だからこそ、地方では、恋愛や結婚する相手との出会いが絶望的にないという問題が起きます。そもそも未婚男女人口差はいびつで、2020年時点で430万人の未婚の男余りです。それは地方にいけばいくほど大きくなります。地方在住の未婚男性にとっては、結婚しようにもマッチングすべき相手がいないのだからどうしようもありません。
AIなどを活用した官製婚活などに取り組んでいる自治体もありますが、根本的にはそこでマッチングする対象者が存在しなければそもそも始まりません。
これは、少子化問題に対して、私が常々言っている「少子化ではなく少母化である」という指摘とも通じる話ですが、そもそも日本の若者人口はすでに減少しています。第3次ベビーブームが来なかった時点で、出生数は右肩下がりで、それはイコール子どもの数の減少であり、それは20年後の成人人口が減るということです。
現在ただでさえ絶対人口の少ない若者を、公金を使って金をバラまいてまでして、無理やり地方に閉じ込めるよりも、もっと広い世界で活躍できる環境を整えることのほうが重要なのではないでしょうか。
未来をつくるのは若者です。若者が自分の可能性を確かめるために出ていくことをむしろ応援してあげるべきだと思います。地方創生の名の下で、若者に我慢や犠牲を強いることがあってはならない。創生していくべきは、地方ではなく、若者の未来であってほしいものです。