ローンの判断基準

したがって、単に金利が上がるか下がるかの予想をしても仕方ありません。要は自分の状況、つまりリスク許容度や借入を考えている期間、自分が持っている資金の量等を考えてどう行動するのが良いかの原理をしっかりと知っておくことが大切です。

私は住宅ローンの専門家ではありませんから、細かい手続きや仕組みについては詳しくありませんが、資産運用が専門ですので、その観点から住宅ローンということを考えてみると、結構勘違いしている方が多いのではないかという気がしています。

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家を買うという行為は「投資」

そもそも家を買うというのは消費ではなくて「投資」なのです。逆に家を借りるということが、むしろ毎月一定の料金を支払って一定期間の居住権という権利を購入している「消費」と考えるべきでしょう。今回は持ち家と賃貸の比較ではありませんので、あくまでも「投資」として家を買うという面だけで考えてみましょう。

ただし、ここで言う投資というのは購入した家自体の値上がりを狙うということではありませんし、サラリーマン大家さんとして賃貸事業で収益を挙げるということでもありません。あくまでも自分が住むという前提で購入する場合の話です。それでもやはり住宅購入は「投資」なのです。ではなぜ家を買うのが「投資」なのかというと、住宅ローンがまさに「資金調達」そのものだからです。

世の中における全ての事業は①資金を調達し、②その資金を何かに投下し、③そこから収益を挙げる、という流れで成り立っています。個人が家を買う場合も①住宅ローンを組み、②そのお金で家を購入し、③「安心感」という利益を得る、ということになります。この住宅ローンの金利が調達コストですね。言うまでもなく調達コストが安ければ安いほど利益は上がりやすくなります。もちろん個人が自分の住む家を買うわけですから、買った家が収益を生むわけではありませんが、少なくとも調達コストを低くすることで、生活における自分のキャッシュフローを改善することができます。

固定金利の場合は、金利はずっと変わりませんからキャッシュフローにも変化はありませんが、変動金利の場合は金利が上がったり下がったりすることで自分が負担する費用は変わります。つまり変動金利を利用するということは、将来の金利変動によって自分の収支が変わってくることになるわけで、まさに投資と同じくリスクを取っているということになるのです。