覚悟を持った主体的な行動を

筆者も信念を持ち、リスクを背負ってきた経験があります。筆者は以前、セブン&アイ・ホールディングスグループで「リアルとネットの融合」というDXをゼロから主導、確立しました。もちろん一筋縄では行かず、周囲の信頼を得て、経営者や幹部を説得するのに7年もの歳月を要しました。それでも「リアルとネットの融合」を成し遂げられたのは、信念を持ち、リスクを背負ってきたからに他なりません。

大企業に勤務する人の中には、「リスクなんて負いたくない」「周囲との余計な軋轢は生みたくない」と保守的な考えを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし、そんな考えを捨て、自らリスクに飛び込む勇気を持つべきです。DXを進められずにいる経営者も同様です。リスクを回避し、保守的な考えに基づく事業推進は、一時的なしのぎに過ぎません。5年後、10年後を見据えるなら、リスクを背負ったチャレンジが不可欠です。「DX企業への転身」や「デジタル社会への対応」を標ぼうするなら、経営者は「信念」と「リスク」という覚悟を持ってDXに取り組まなければならないのです。

当記事は「DX MAGAZINE」(デジタルシフトウェーブ)からの転載記事です。

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