非大卒の成功モデルがない
僕が大学の数以上に問題だと思っているのは、大学に行かなくても成功しているロールモデルを、日本がちゃんとつくってこなかったことです。
日本の大学卒業率は55%なのですが、たとえばフランスは40%、ドイツは31%なんです。
日本では、「とりあえず大学は行くべきだよね」となっていて、きちんと勉強もせずにただ卒業しただけという人を量産していますよね。でも、フランスやドイツは、大卒ではない人でも充実した生活を送っていたり、稼いでいるロールモデルがいくつもあるんです。
フランスなら、ものすごく儲けているレストランや、首相官邸の御用達のパン屋さんが毎年表彰されていたり、ファッション業界などでも大卒ではない人が活躍しています。手仕事をしている人たちも表彰されたり、きちんと稼いで社会的に認められているんです。
でも、日本だと大卒ではない成功モデルがあまりないんですよね。例に挙がるのは、スポーツ選手や芸能人など、実際になれる人が極端に少ない職業ばかりです。
なので、やる気と学力のある人には国がお金をかけて投資をしたほうがいいですし、一方で大学に行かなくても幸せになれるロールモデルも、もっとつくったほうがいいと思います。