第2に、プーチンの「家庭生活の拒絶」も、架空のFSB採用プロファイルに含まれるだろう、とこのエージェントは述べる。

「プーチンの両親に関する情報はなく、子供や自分の私生活は秘密に包まれている。そのため、親密な関係を求める心理的な代償メカニズムが必要になっている」

このような心理タイプは「相手によって対応を使い分ける『クロスドミナンス』タイプになりやすい」と、エージェントは示唆する。

第3に、プーチンは「自分の支配下にあって御しやすい人物よりも、自分が子供の頃に憧れたり恐れたりしたような人物で周囲を固めたがる」

さらにエージェントは、プーチンは「困難な決定に対する個人的な責任にきわめて強い心理的抵抗を示す」ことも指摘した。

「これは上記の「自己愛性障害」の結果といえるが、ひいては、自分の罪悪感や責任を自分自身に対してさえ否定するメカニズムにもつながる」と、エージェントは説明する。

「ほぼ絶対的な確信を持って次のことが言える。プーチンは心理的に、自分の親しい人からの申し出を正当な理由をもって拒否するということができない。だがこれは彼が『イエス』と答えても、誰にも何も保証しないという結論にもつながる。保証するということは、責任を取るということだからだ」

このエージェントによると、プーチンの「親密なサークル」のメンバーが何かを申し出た場合、彼はそれに同意する。だが、「その提案を監督し、責任をとることを、提案した本人に委ねるだろう」。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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