「稼げない男、稼げる女」の生涯未婚率は上がっている

「金を稼げない男と金を稼ぐ女は結婚できない」と言われます。

これは、就業構造基本調査を基にした、年収別男女の生涯未婚率(50歳時未婚率)をグラフ化すれば明らかです。年収100万円未満の男性は約47%が生涯未婚ですが、逆に年収100万円未満の女性の生涯未婚率はわずか5%です。

個人の年収が上がるごとに、男性の未婚率は下がり、女性の未婚率は上がっていきます。ちょうど年収400万円を超えたあたりで男女の生涯未婚率の比率が逆転します。年収500万円以上では、男性は11%、女性は25%となります。

最新のデータは、2017年のものですが、それより10年前の2007年と比較しても、その傾向は同様で、男女ともむしろ生涯未婚率が全体的に上昇しています。逆に、高年収の男性と低年収の女性の未婚率は、10年前と比べてもほとんど変化はありません。

さて、なぜこういう現象になるのかといえば、以前<「年収500万円の星野源似」を“普通の男”と考える婚活女性の悩ましさ>の記事でも解説した通り、そもそも相手男性に対する年収条件が現実と乖離かいりしているためです。

「平均年収でいい」のになぜマッチングしないのか?

結婚相談所の仲人さんの話を聞くと、年収500万円以上とまではいいませんが、「最低でも400万円」という条件提示をする婚活女性も多いようです。なぜなら、テレビやネットのニュースでも世の中の平均給料が400万円台だと聞いているし、実際、国税庁の民間給与実態調査での男性の全国平均給料は、25~29歳で404万円、30~34歳で472万円ですから、本人からしてみれば、決して無謀な条件提示をしているわけではなく、むしろ「高望みはしません。平均年収でいい」という妥協の意味合いが強いのかもしれません。

しかし、この民間給与実態調査の結果は、未婚も既婚もあわせての数字であり、決して未婚男性の平均給与ではありません。婚活女性が選択対象とすべき未婚男性の年収構造は思ったより低いものです。

簡単にいえば、男性の結婚適齢期年齢の25~34歳で見ると、全国平均では、年収500万円以上はわずか11%、400万円以上まで下げたとしても27%しかいません。結局、婚活女性の多くが年収400万円以上の未婚男性を希望したところで、3割程度しか該当者がいないわけですから、残り7割は「該当者がいません」と言われてしまうだけです。