割合は基本的な数字ではあるが、曲者でもある
割合(%)という数字は直感的にイメージしにくい曲者です。たとえば「40人から60人増えました」はもちろん100人で、間違いようはありません。ところが、全社員に対する女性従業員の割合がそれぞれ40%と60%の2社が合併したときの全社員に対する女性従業員の割合は100%とはならないはずです。
ちなみに答えを直感的に50%と考えてしまう方も多いようですが、そうとも限りません。一例が図表3です。40%と60%という2つの数字から、53.3%という数字の可能性を想像しなければならない。これが割合(%)という数字の難しさです。
一般的に回答1のような場合は「10%増加した」ではなく「割合が10ポイント増加した」と表現します。割合の増加をポイントの増加と表現することにより、先ほどのようなミスコミュニケーションを避けます。仕事の場面で10%が20%まで増えたことを表現する際は、「ポイント」を使うことをおすすめします。
繰り返しですが、割合(%)は曲者であり細心の注意を払う必要があります。一方で、割合(%)とは小学校で学ぶきわめて基本的な数字でもあります。だまされるポイントはそう多くありません。ここで紹介したことを徹底することで数字にだまされることを回避できるはずです。
「○%増加」と「割合が○ポイント増加」を使い分ける