中2の宿題「初めてのセックスのシチュエーションを考える」

一番最初に出た課題が「自分の初めてのセックスはどんなシチュエーションか考えてくる」というもので、それが宿題で出され、ちゃんまりさんは寮の食堂で考えていたそうです。小学校までは日本にいたちゃんまりさん、「セックスというものは男性が誘ってくるもの」という前提で課題を記入していたら、寮母さんがそれを見てこう言ってきたんだそうです。

「女性側から誘うこともあるよ」

ちゃんまりさんは「ええー! そうなんだ! 女性にも性欲があっていいんだ」とビックリした、というお話でした。

私は聞いていてブワーッと鳥肌が立ちました。それ、それだよ、それやねん、それですねん!

性欲にもいろいろな感情や欲求がある

日本の性教育では性感染症や妊娠の危険や避妊については教えてくれるけど、じゃあそもそもその原因となるセックスというものが一体どういう場面で始まってしまうのか、それってどんな状況かについて教えないし、考える機会もない。そういうことを教えてくれる教員にあたらないかぎり。

イラスト=田房永子

ちゃんまりさんは「日本では性欲=エロティックなものってことになっているけど、本当は性欲の中には『さみしい』であったりいろいろな感情や欲求が入ってるはず」と話してくれました。

本当にそうだと思う! エッチなものを見たり触れたりした時に体から湧いてくる欲求を「性欲」と呼ぶとしたら、誰かと性的接触を交わらせたいという欲求は「性行為欲」って感じで、またちょっと違くない? と私も思ってた!

「性行為欲」の中には、相手に対して「性欲」をしっかり感じて行う、というだけではなくて、さみしい、つらい、みたいな感情がもとになって行動に移す時もあるだろう。「友達がもう経験済みだから自分もやらなきゃ」という焦りだったり、「相手の欲求に応えてあげたい」とか「応えないといけない空気」とか。時には自暴自棄な状況なこともあるだろうし、相手にマウントをとりたくて性行為を誘うとか。

それは男性でも女性でも、相手の性別も関係なく、セックスというものをする時の動機とか衝動って、「性欲=エロい気持ち」という一つだけでは本来片付かないくらいいろいろあるんじゃないだろうか。

ちゃんまりさんが通っていたカナダの女子校では、そのコミュニケーションとしてセックスを考える授業を2年生で行い、3年生ではコンドームの使い方を実際に模型に着用する授業や、マスターベーションについての説明もあったそうです。

ちゃんまりさんはWEBラジオでその話をしているので、詳しく知りたい方はぜひ聴いてみてください。(ちゃんまりとめいのMellowing Coke!