過去を振り返ることで今を考える

――昨年は明治、大正、昭和を生きた教育者・河井道を描いた柚木麻子さんの『らんたん』が出版され、最近では大正時代の女性解放運動家・伊藤野枝を主人公にした村上由佳さんの『風よ あらしよ』がドラマ化されるなど、昔の女性たちの生きざまをフィクションとして描いた作品が続けて注目されています。

モデルはいるとしても、「誤解されているけど、本当はこんな一面もあったのではないか」など、小説ならフィクションとしても読めるところに面白さがあるんじゃないでしょうか。私もそうですが、柚木さんも、昔のことを振り返ることで、改めて今を考えようという視点が生まれたのだと思うのです。「彼女たちは、どうだったのかな?」と一つひとつ調べて書いていく。それが何となく今やりたいことなのかなと思います。

(構成=新田理恵)
関連記事
「ようやく女性が性欲を語り始めた」これまで"女性は自慰をしない"ことになっていたのはなぜか
庶民には読み書きそろばん以上の教育は不要…日本の指導者層が「あまりに高い大学費用」を放置する理由
日本では「デブモデル」とイジられるだけ…身長163cm体重80kgの私がアメリカでは大成功できた理由
「なぜ女性が妊娠するか」を学校で教えない…日本の性教育を世界最悪にした原因は旧統一教会にある
「床上手」とはどういう意味か…江戸時代の遊廓で女性たちが体現していた「色好み」【2021編集部セレクション】