“中国離れ”の動きはいっそう強まる恐れ

そのため、共産党政権は不動産デベロッパーなどに資産売却による経営の立て直しを命じつつ、インフラ投資などで雇用所得環境を下支えせざるを得なくなっているように見える。成長期待の高いIT先端企業の締め付けも強化されている。さらに米国は、中国の弱みである最先端分野の半導体製造をくじくために半導体輸出規制を強化した。

中国経済の成長率低下は、より鮮明となる可能性が高い。債務問題も一段と深刻さを増すと予想される。それが現実のものとなれば、中国の債券や株式を売却する海外の投資家はこれまで以上に増えるだろう。米国で金融引き締めが強化されることも中国からの資金流出を勢いづかせる。

過去の共産党政権の取り組みをもとに考えると、資金流出を抑えるために本土株式の売買制限や債券取引に関する規制が強化されるリスクもある。中国からの資本逃避の動きは一段と強まる恐れが高まっている。それは世界経済にとって大きなマイナスだ。

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