事業を小さくてもいいから「所有」する
事業の一部を所有しない限り、経済的自由への道はない。
Qなぜリッチになるためには、事業の一部を所有することが欠かせないのですか?
所有と賃金労働の違いだね。
時間を切り売りしているようでは、たとえ弁護士や医者であっても、ある程度は稼げるが経済的自由が得られるほどには稼げない。休暇中も君の代わりに事業がたたき出す、不労所得は得られない[※1]。
おそらくこれが、最重要ポイントの1つだね。「勤勉に働けば富を得られる、十分な金を稼げる」という誤解があるようだが、たぶんそうはいかないよ。理由はいろいろある。
所有権を持たないと、インプットとアウトプットが密接に連動するんだ。つまり君が投入した時間や労力に比例した報酬しか得られない。給料制で働く人のほとんどは、時間を売ってその対価として報酬を得ている。時給が高い弁護士や医者でもそうだ。
所有権を持たなければ、寝ている間は稼げない。引退後は稼げない。休暇中は稼げない。働いた時間に比例した、線形的な稼ぎしか得られないんだ。
医者でもリッチに(それもかなりリッチに)なる人がいるが、それは開業するからだ。医院を開業する。医院がブランドを築き、ブランドが人を集める。または医療機器や手順、プロセスを開発して、知的所有権を取得する。
君が誰かのために働くときは、その誰かがリスクを背負い、説明責任を引き受け、知的所有権とブランドを所有している。彼らは君に十分な報酬を払おうとしない。
君を働かせるために必要な最低限の報酬しかくれない。最低限といっても高額かもしれないが、それでも君は引退後も稼げるような、真の富は得られない[※2]。
企業のエクイティ[持分、株主資本]を所有するというのは要するに、アップサイド[潜在的な成長余地]を君のものにするということだ。負債の所有者(債権者)は、利回りを保証され、ダウンサイド[潜在的な損失]を負担する。
君が所有したいのは、エクイティだ。エクイティを所有しない限り、君がリッチになれる見込みはほぼない。
だから事業のエクイティを所有できるようになろう。株式を購入して少額株主としてエクイティを所有してもいい。会社を立ち上げて、オーナーとして所有するのもいい。
所有権が本当に大事なんだ[※1]。
財をなす人はみんないつかの時点で、必ずプロダクトや事業や何らかの知的所有権の一部を所有している。君がテック企業の社員なら、ストックオプションを通じて所有することもできるね。それも手始めとしてはいい。
でも一般に、本当の富は自分で会社を始めるか、投資を行うことでこそ生み出される。投資会社なら、投資先企業の株式を購入する。これらが富への道だ。時間を切り売りしていては富は決してやってこない[※2]。