いつまでも続く「臨時の税金」

ガソリン税については、その税率が高すぎるという声が大きくなり、トリガー条項の発動が議論となっている。トリガー条項は2010年度税制改正で導入されたが、東日本大震災の復興財源確保のため2011年に凍結されたまま現在に至っている。

ガソリン税は本来1リットルあたり28.7円だったのでだが、道路財源の不足を理由に臨時の税金(暫定税率)25.1円が加算されて、現在の53.8円になっている。

ガソリンの平均小売価格が3カ月連続で1リットルあたり160円を超えると、「トリガー(引き金)」を引くように発動され、ガソリン税53.8円のうち、上乗せされている分の25.1円の課税を停止し、また3カ月連続で130円を下回ると元に戻る仕組みだ。

現在のガソリン価格はこれを超えているので、トリガー条項の凍結解除(発動)が主張されているのだが、政府・与党は見送っている。買い控えや駆け込み購入といった流通の混乱、ガソリンスタンドの事務負担増など課題が多く、発動は現実的ではないとの判断による。

代わりに石油元売り各社へ支給する補助金制度を導入している。現在は1リットル当たりの補助金上限は35円だ。政府は、補助の上限について、段階的に縮小する方向で調整していたが、最近の円安ドル高などを背景に据え置きを決めたと報じられている。

過熱式たばこは物価高でも増税値上げ

たばこについても増税による値上げが進行中だ。

2018年の税制改正で決定した毎年の値上げが進行中ですでに4回目の2021年10月の値上げまで行われている。紙巻きタバコだけではなく、IQOS(アイコス)やglo(グロー)、Ploom TECH(プルーム・テック)といった加熱式タバコも対象となっており、この10月からは加熱式タバコが再び値上げされる。

ただ、紙たばこ1箱(20本)が500円のワンコインでは買えなくなったと一時話題になったが、まだ禁煙先進国から比べると安く(オーストラリアでは1箱2000円位、イギリスは1700円位)、さらなる増税も予想されている。

旅行客を狙い打つ熱海市のもくろみ

熱海市は住民登録をしていない別荘所有者には固定資産税に加え、別荘税(別荘等所有税)を全国で唯一課している。税率は延べ床面積1平方メートルにつき年額650円だ。これは納税義務者が同じであり、不当な二重課税ではないのか?

熱海市の見解はこうだ(熱海市HPの別荘等所有Q&A質問6より)。

固定資産税は家屋の価格(評価額)、別荘等所有税は述べ床面積をそれぞれ課税標準として課税されており、課税標準が異なっていますので二重課税とはなりません。

また、同市は入湯税を徴取している。地方税法に定められている温泉などで徴収される市町村の税金だ。課税されるのは鉱泉施設があるホテル、旅館、スーパー銭湯、健康センターなどで税額は1人1日当たり150円(標準税率)だ。現在1000ほどの自治体が徴収している。